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2008.10.09 (Thu)

「専制君主のロマンス」鷺沼やすな

「お前は、俺に惚れてないから分かんねーんだよ」


ふっと読みたくなっての再読です。
同人時代から好きで、長いことずっと読んでいる作家さんの一人です。
どちらかというとシリアスな雰囲気の作品が多いかな…。
鷺沼さんの文章の上手さは定評があるのだけど、実はとても官能的な文体なんじゃないかと、
心密かに思っています。

4344806174  専制君主のロマンス (リンクスロマンス)
  佐々木 久美子
  幻冬舎コミックス 2005-08-31


イベント会社勤務の有能なサラリーマン・雛崎充の弱点は『血に弱い』こと。
強引でマイペースな先輩・風森尚吾は雛崎の弱みを知る唯一の人間だった。プライベートも仕事もトラブル続きで参っていた雛崎は、ある日酔った勢いで怪我をした風森の傷口に唇で触れてしまう。極端に苦手なものに触れれば、落ち込みの突破口が開けるような気がしたのだ。しかし、風森から「誘った」と言われベッドに引き摺り込まれてしまい…。


設定も展開もハデなものではなく、むしろ淡々として物語は進行する。
仕事や日常の些細なやりとり、中学時代の先輩後輩の間柄を経て、
友人として15年以上積み重ねられてきた過去の出来事。
それらの細やかに丁寧に描かれたエピソードによって、
少しずつ互いを大切に思う感情が育くまれていく過程がとても自然。
そして、一つのきっかけが、その感情に「恋」という名前を滲ませていく。

美しく魅惑的な文章と、丁寧で繊細な心理描写は、いつもながら秀逸。
私は文章フェチなもんで、いつもうっとりしてしまう(←と前にもどこかで書いた気がするな…)。
ストーリーとしては珍しくない展開なのに、鷺沼さんの手にかかるととてもドラマチック。
静かなピアノ曲が流れていそうな、質のいい恋愛小説だと思う。
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テーマ : ボーイズラブ - ジャンル : 本・雑誌

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