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2009.05.11 (Mon)

斎城昌美(さいき まさみ) 作者略歴

1990年「魔術士の長い影」(『神狼記―アシュラウル・サガ』第1シリーズ)で、今はなき大陸書房よりデビュー。この本の後書きにあるご本人の自己紹介が楽しいので、抜粋させていただく。

『美食と美しいものをこよなく愛し、能天気で素っ頓狂。しかし表面は常識人を装い、人前では猫を被る。東の地平線上に海王星を持つため、霊感は強い。が、中天に木星を持つことで、関心は社会に向かっている。(中略)で、こういう人間がファンタジイを書くとどうなるか、というと(略)剣と魔法 よりも謀略と軍事がストーリーの中心という、およそファンタジイらしからぬ(?)様式を持ってしまった。』

とあるように、ファンタジーの枠に収まらない、綿密に構築された独特の世界を持つ。
こういうサーガを書く方の頭の中身に、私はとても興味がある。できることなら覗いてみたいものだ。

代表作は「神狼記―アシュラウル・サガ」「ビザンツの鷲」
日本中世を舞台にした歴史小説「天を睨む」(双葉社)「天狗妖草子」シリーズ(中央公論社)などを執筆。残念ながらほとんど絶版。斎城昌美ファンとしては、もっともっと読みたいんだけどなぁ…。


『神狼記―アシュラウル・サガ―』
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23:25  |  斎城昌美  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2002.11.25 (Mon)

「白狼綺伝Ⅴ―獣神たちの夏」斎城昌美

北方のアマラン軍はダルナディート国境で帝国軍を相手に苦戦を強いられていた。アシュラウルはベノウィックにのみ真実を告げ、ダリュワーズとの一騎打ちを狙い国境へと向かう――クウィル・ヴォル神に送らせちゃうところがすごい(笑)。神様をアッシーにしてしまっているのだ。
だがこの決闘でアシュラウルは右腕を切り落とされ、ダリュワーズも瀕死の重傷を負う。
ダュワーズは妖魔バシュマハドに助けられ、アシュラウルはクウィル・ヴォル神によって腕を繋がれるのだが、その痛手は深く引きずることになる。

くすぶる部族間の確執、暗躍する魔術士の謀略など、アシュラウルは苦悩する。彼は決して万能ではない。
北方のカイムジェサ帝国に数で大きく劣るアシュラウル軍は多くの犠牲を強いられながらも、帝国の領土を削り取り、人々を解放してゆく。
天空ではクウィル・ヴォル神と妖魔バシュマハドとの戦いが繰り広げられ、ついには竜族の王キゼラドを仲立ちに帝国との和睦を結ぶことに成功する。
ここにアシュラウルを神皇帝とする「神聖連合王国」が誕生するのである。ついでにしっかり領土を横取りする老竜キゼラドが老獪なくせに、とてもチャーミング♪ 

謀略、嫉妬、裏切り、繰り返される生と死――重いテーマだ。だが、他者に犠牲を強いてまで守る信念に価値があるのだろうかとか、志半ばで逝かねばならぬ者の思い、残される者の苦しみ悲しみを見つめるとき、使い古された言葉ではあるけれど、命より大切なものがあるのだろうかと思う。そして、平和とは所詮、永遠の途上なのだと、一抹の虚しさが過ぎるのでした。

「軍事と謀略」の戦記物ではあるのだけど、剣と魔法とドラゴンのファンタジーの三種の神器もしっかり出てくるから、これもファンタジーには違いない(笑)。

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00:38  |  斎城昌美  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2002.11.25 (Mon)

「白狼綺伝Ⅳ―狼の黒い旗」斎城昌美

アシュラウルとベノウィック、ダナスターン、イキュエの一行は海を渡り、カイムジェサ帝国内にあるものの支配の届いていない深い谷へと足を踏み入れる。アシュラウルは、クウィル・ヴォル神によって造営された青耀宮(イレウィス・ダラーム)を拠点とし、「精霊王」として今も帝国と戦い続ける周辺の遊牧の民を統合し、挙兵の準備を始める。それはベノウィックたちとも一線を引くことでもあり、半神半人としてのアシュラウルの孤独を深めることでもあった。

一方ダリュワーズはアマラン侵攻のため、北方へ向けて進軍を始める。帝国軍の主力が北方に向かっている隙を突いて、アシュラウルは南から攻め上がる戦略をとる。
偵察に訪れたイピリ砦で、帝国の魔術士によって多くの民草が無造作に犠牲とされる様子を目撃したアシュラウルは、怒りに任せて非力な妖魔を滅ぼし、衝動的で無慈悲な自らの「神としての魂」に愕然とする。だが戦いは止めようもなく、アシュラウルは、圧倒的に数で優るイピリ軍を冷徹な戦術で分断し、軍を完勝に導く。
鮮やかな勝利ではあったが、部族間の対立あり、帝国側の間諜の暗躍ありと、様々な問題を孕んでの勝利でもあった。

この巻より「剣と魔法」というより、戦略戦術を駆使する「軍事と謀略」によるファンタジーへと、一気に軍事色が強くなる。部族間の確執から統合されていく過程が丁寧に書き分けられており、斉城氏の揺るぎない筆力に圧倒される。
異なる部族的性格、慣習の相違は簡単に乗り越えられるものでなく、これからのアシュラウル様の苦労が思いやられるが、それにもましてご苦労なのは繊細で気配りの人、ベノウィックではなかろうか。彼なくして部族の決起は難しかったと思う。
そんな人がアフガニスタンにもいればいいんだけど・・・・・・今回revieのための再読をしていて、ふと現実と重ねてしまったのだった。

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2002.11.25 (Mon)

「白狼綺伝Ⅲ―獅子王の毒」斎城昌美

「獅子王の毒」とは、侵略を容易にするために内乱を画策する獅子王ダリャワーズの陰謀を指す。これを打ち破るべく、華やかな宮廷を舞台にアシュラウルたちが、結構あざとい手を使いつつ活躍するのだが、特筆すべきは「すけこまし」なアシュラウルに恋する青年マウリシスとのエピソードである(笑)。

恋に対して純情な彼は、はかなげな雰囲気(を演出する)アシュラウルに一目惚れしてしまう。謀反の主犯である人物に接近する策略を秘めつつも、その心情にほだされてアシュラウルは八日間だけの恋人となるのだが、後に彼は非情な選択を迫られ、命をもかけることとなるのだ。純情な恋をもてあそんだ罰であろう。

またクウィル・ヴォル神も、バシュマハドの情報をもたらしたり、アシュラウル自らが帝国の罠にはまることで悪人を炙り出し、あわやとなった彼を救出したりとご活躍なさるのだが――アシュラウルに恋を迫るマウリシスに嫉妬したり、ついでに神の力を見せつけてみたりと、おちゃめな面を垣間見せる(いや、ご本人はそのつもりではないだろうが)。
そんなクウィル・ヴォル神の恋情を、実は冷静に計算して計画をたてるあたり、運命に弄ばれているはずのアシュラウルが1番人が悪いのかもしれない。
そしてアシュラウルは、帝国と戦い獅子王と直接対決するために、カイムジェサ帝国に乗り込むことになるのである――。いよいよ次巻から戦神アシュラウルの本領発揮!

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2002.11.25 (Mon)

「白狼綺伝Ⅱ―精霊王の琵琶」斎城昌美

ニーヴァンから夜逃げし、気儘な旅を続けるアシュラウル一行は、足を痛めた旅人イキュエを助ける。彼は故郷の救済を求めて、ニーヴァンを救ったという精霊王を探していたのだ。
アシュラウルはイキュエに真実を告げぬまま、共に旅を続けることになる。
だが、ダナスターンとイキュエは最初から敵愾心を隠そうともしなかった。それは互いの故国を征服した肌の色に起因していた。ダナスターンの故国を滅亡させた黒い肌の人間と、イキュエの故郷を征服して奴隷と貶めた白い肌の人間――肌の色の違う民族を戦わせるのはカイムジェサ帝国の常套手段でもあるのだ。
目の前の人間を憎悪するしかない2人がやるせない。だが、アシュラウルはかつての敵と手を結べば真実の敵=帝国をも倒せるはずではないかと諭す。気儘な旅は一触即発の険悪な旅となるが、ベノウィックの心配をよそにアシュラウルは中庸の立場を守るのだった。

やがて一行は呪われた都に閉じ込められたという、アマラン王国の第三王子ルシュエスの噂を耳にする。
遠見、予知、読心の力を持ち、カイムジェサ帝国からアマランを守ってきたルシュエスを救出するため、アシュラウルたちが奮闘する。命を懸けた闘いは、完全とまでは言えないまでも、
ダナスターンとイキュエの距離を少しずつ縮めることにもなった。
ルシュエスはアマラン南部の都ダィーラでの謀反を予知しており、それを阻止するためにアシュラウルたちは同道することになる。その道中で立ち寄ったクィラという都で起きたある事件がきっかけとなり、アシュラウルはカイムジェサ帝国の皇帝ダリュワーズと、その帝国の妖術師に力を与えている妖魔バシュマハドを初めて己の敵と認識し、これを打ち倒すことを誓う。

粗筋だけ読むと殺伐とした内容だが、この巻は幾つかの切ない「愛」が描かれていて、じんわりさせられる。閉ざされた都での裏切りに悶え苦しむ「愛憎」。その対極ともいえる互いに心を寄せながら互いの立場を尊重し合い、見つめ続けるだけの「愛」――こういう愛って大人だよなぁ。
さり気なく配された、ちょっとしっとりしたラブストーリーにうっとり・・・としている間に、事態は新たな展開を迎えるのである。金髪碧眼のルシュエス王子が可愛い♪

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