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2002.03.02 (Sat)

「瞳に星降る」神崎春子

……あなたが心を傾けて……造りあげた僕は、男娼の真似ごとをしている……



kanzaki.jpg  瞳に星降る
  神崎 春子
  勁文社 1991-11
476691502X
 






内容
「洒落のひとつで、狼少年を優雅な牧羊犬に変えてみたい」――総合商社の若き総師、北条嘉明が、17歳の桐乃優を引き取ったのは、そんな気まぐれだった。
優は、身元引受人である佐伯の勧めに従い、エグゼクティブを絵に描いたような世界で、必要な教養を学んでいく。

嘉明には別居中の妻、雅子がいる。その雅子の行動がストーリーのキーポイントとなる。
雅子に関わったことで優は、嘉明の怒りを買い、暴力的に犯される。
衝撃のあまり屋敷を飛び出した優は、密かに想いを寄せる佐伯が不治の病であることを知らされる。佐伯の治療費と引き換えに、嘉明が提示した条件は奴隷になることだった。
優はすべての条件を呑み、かつ忠実に実行していく。

一ヵ月後、佐伯を見送った優は、自身の中の微妙な変化に戸惑いつつあった。
「心はいらない」という嘉明の言葉が、それを決定的に気づかせる。
やがて心を開き、愛し合うふたり。
だが、雅子の奸計により、歯車は大きく狂い始める。


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2002.03.02 (Sat)

神崎春子(かんざき はるこ)

言わずと知れたハードゲイ小説の大家。
JUNEとかBLに分類してよいものか悩むところだが、作品の読後感は切なく、泣かせてくれる。
峰岸ひろみのPNで、少女マンガデビュー(!)。女性向け小説を神崎春子、男性向け小説では峯岸郁夫の名義で活動。ほかにもPNがあるらしいが確認できなかった。
1999年、神崎竜乙(かんざき・りゅうと)と改名。
代表作「ぺイ・シティ・ブルース」シリーズは、現在も同人誌などで発表している。
ほか、「家族の肖像」(角川ルビー文庫)、JUNEカセットにもなった「嗜虐の荒野」など多数。

余談であるが、先日神崎先生にお目にかかるチャンスに恵まれた。
本の後書きとか雑誌などのインタビューくらいしか読者が作者さんにお話をきける機会はない。
となれば色々お尋ねできるチャンスではないか! 
ところがである。
ボーっとしていた私はすっかりこんと忘れてしまったのだった。
この「発掘隊」で神崎先生の作品を扱うことは快くお許しいただいたのだが…ずーずーしくなりきれなくて残念(笑)。

■ 瞳に星降る
■ 被虐の荒野


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