2003年07月 / 06月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫08月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2003.07.22 (Tue)

「竜の紋章~Season~(上・下)」 新田一実

生きているという事実が、そのまま何よりの復讐になるのだ。


4756731341竜の紋章 Season〈上〉 (エクリプスロマンス)
新田 一実(にった かずみ)
桜桃書房 2003-06

by G-Tools


【内容】
辺境宇宙に位置する巨大な宇宙ステーション・ダレスに君臨するラグウルは、類稀なる美貌と冷徹な頭脳、辣腕すぎる行動ゆえに、アンドロイドの様だと噂されている。実は彼は哺乳人類とは種の異なる出自で、王の予備として育てられた過去を持つ。孤高なるラグウルを「王のようにも娼婦のようにも扱う男」宇宙貿易商人・ドレイクは、この世界での唯一の同族種だった。
ダレスで起こった珍しくもない殺人事件がきっかけで、二人は巨大組織にその命を狙われることになる。警備主任・ガイアーやその恋人で『未来見』ゆえに短命のユヴェールの行く末をも賭けながら、ラグウルとドレイクの戦いが始まる。

【書評】
舞台は宇宙なのでSFと位置づけられているが、風刺的な表現も多く、ほとんどファンタジーのノリで読める。
ダレスという王国に君臨しながらも、意にそまぬ運命を受け入れなければならなかったラグイルの深奥にある、孤独と多種族への怖れや嫌悪。そのプライドの高さゆえ、決してそれを弱みとして見せまいとするラグウルの唯一の理解者であるドレイク。
シリアスかつ不幸な背景にも関わらず、ラグウルの女王様なヒロイン振りと、彼に蹴られても、銃弾を撃ち込まれても求婚し続ける懲りないドレイクの関係が、ラブコメタッチで楽しい。
硬軟、善悪取り混ぜた脇を固める役者も揃い、細部の肉づけのうまさとノリのよさでついつい引き込まれてしまう。
振幅の大きい作品だが、それなりに陰影をもたせて展開、意地をはるのも命がけなラブストーリーとスペースファンタジーが一緒に楽しめる。

以下余談。
後書きによると作品の「宇宙」の設定はずーっと変わっていないとのことで、天海沙姫名義で書かれた『ノーマッド号の冒険』とも世界が繋がっているらしい。それで再読しようと探したが見つからない。どうやら2、3ヶ月前の本の大整理が原因らしい…なんでも整理する癖がいかん(泣)。ちなみに超絶美形の青年がぞろぞろ出ていたことしか覚えていない……。


[作家紹介]
スポンサーサイト

テーマ : ボーイズラブ - ジャンル : 本・雑誌

00:17  |  その他の作家  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2003.07.13 (Sun)

「月と茉莉花」佐倉朱里

「……あなたはひどい人です……」


2003年 幻冬舎 リンクスロマンス。

内容
「切なくも甘い、魂を揺さぶる感動の歴史ロマン」というか、中華風世界を背景に描かれたロマンス。
琰国太子の煬大牙は、自国を裏切った国「湘」を滅ぼし、湘の第一公子を捕虜にする。
公子は盲目のため、湘王である父に廃嫡とされ、名も付けられず、存在すらうち捨てられて北の離宮に幽閉されていた。それでも潔く「湘」と運命を共にしようとするが、500ほど暗記しているという戦火で失われた書を筆記させるのを条件に、命を永らえる。だが、美しく儚げな公子に、大牙はいつしか惹かれ始める。

書評
誰もが知るように、恋はいつでも落雷のようなもの。それには打つ手なんてないし、王様だろうと小市民だろうと、教養があろうとなかろうと、分別なんてどこかへ飛んでいってしまう。
そんな激しい恋愛を、佐倉氏は湧き水の中に火照った足を浸しているような、静かな情調を立ちのぼらせて描写している。
盲目のため亡国の廃嫡され、陰のように生きてきた公子と、新興の国の王として、力強く傲慢で炎のような太子。立場も性格も正反対の二人が、ゆっくりと心を寄せていく様子がいとおしく思えてくるような魅力的な展開で、上質なラブロマンスに仕上がっている。
新人さんということだが、しっとりとした文体で引き込まれ、品のよい筆致なのでうっかりするけど、情交シーンがなんとも官能的。

同性であることに本人も周囲も大して懊悩はなく、JUNEというより今風のBLだと思うが、私の好みの切ない系の話なので、私的には久しぶりに堪能できた――このところ外しまくっていたし(笑)。
続編を期待したいところだが、そうなると、たとえば後継を残さねばならない一国の太子が同性を娶るわけにもいかず、したがって二人には厳しい環境が待ち構えるはずだし、身体だけでなく、心も深く寄り添わせた恋の先には何があるのか、というところまで掘り下げて、前途多難な恋愛模様を描いてほしいなぁ。筆力がある作家さんだから、つい期待してしまう。次回作が楽しみな作家さんである。


月と茉莉花 (リンクスロマンス)
 月と茉莉花 (リンクスロマンス)
 佐倉 朱里

 関連商品
 月と茉莉花 ‾羞花閉月‾ (リンクスロマンス)
 月と茉莉花~月に歩す~ (リンクスロマンス)
  by G-Tools


*この記事は website【CAFE唯我独尊】から移行しました。


テーマ : ボーイズラブ - ジャンル : 本・雑誌

22:31  |  佐倉朱里  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。