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2008.06.06 (Fri)

「君が好きなのさ 1~10巻、番外編、スペシャル編」 谷崎 泉

今さらだけど、突然転んでしまったBL作品です。
「今さら」というのは、1999年~2002年に10巻まで出版され、最終巻となっているスペシャル編ですら、
2004年発行で、サイクルの短いBL界を思うに、たぶん「今さら」なんだろうなあ。
すでに絶版になっているらしい巻もあるし。
でも、今でも同人誌でシリーズ作品が発表されているってことは、根強いファンがいるってことで、
心強いかぎり♪


君が好きなのさ (二見シャレード文庫)君が好きなのさ (二見シャレード文庫)
(1999/04)
谷崎 泉

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それまでも谷崎泉さんは好きな作家さんのひとりではあったのだけど、
裏社会とか刑事物とか、どちらかというとハードな設定の作品ばかり読んでいたので、
この『君が好きなのさ』(略して「きみ好き」というらしい)にはちょっとびっくり。
そしてなにより、短期間に3回も再読するほどハマることになろうとは――自分自身にこそ、
嗚呼驚愕


【More・・・】

駆出しマンガ家の大学生加納つぐみは、ある日、出版社のエレベーターで
乗り合わせたワイルド男にいきなりキスされてしまった。
その男・浅井は、日本語は話せるものの国籍はアメリカ。
そしてその世界では名を知られた凄腕の報道カメラマンだった。
浅井はつぐみに一目惚れ。つぐみを「かみさん」にするべく、日本に腰を落ち着けてしまう。
強引でありながらシャワーのように注がれる浅井の愛情に、戸惑ったり迷惑に感じたりしながら、
つぐみはやがて浅井にほだされていく。

同性に惹かれていく心の慄き、人を恋することの喜びや苦しさ、愛する家族への罪悪感など、
主人公達の微妙な心の揺れをゆっくりじっくり描いてて、なんだかテーマが重そうだけど、
シリアスとコメディの緩急のバランスがいい感じなので、10巻(+2巻)の長さを感じさせずに
一気に読ませる。
登場人物は二人を理解し、または理解できないまでも受け入れようとする、
優しい人たちがほとんどで、それはメルヘンなのだと分かっていても、
それでも作品全体に漂う切なさや温かさに包まれていたくなる。


その浅井が自分の写真集『楽園』の最終ページにのせた一葉の写真と、
てらいのないシンプルな言葉。

世界中に楽園と呼ばれる場所があってたくさんの美しさを目にしたけれど
愛する人と暮らす部屋が一番の楽園なのだと
気がついた


私はこの一文に、ついうっかり泣かされてしまった。
決して家族に恵まれて育ったわけではない浅井の、内奥に感じられる孤独ゆえに。
浅井とつぐみの、互いを思いやるしなやかな心の強さに。

実は読み始めた頃は大した思い入れがあったわけでもなかったのに、
気がついたら睡眠時間を目一杯削って読みふけるほど引き込まれてしまっていた。
こんな風に泣けちゃったのは榎田さんの「魚住くんシリーズ』以来かも。
時期を逸していなかったら、ファンサイトを作ったかもしれない(笑)。




――あ、遅くなってしまった。続きはまた明日。

テーマ : ボーイズラブ - ジャンル : 本・雑誌

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