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2003.11.19 (Wed)

「私説三国志 天の華・地の風 五」 江森備

――君、かれを愛さざるや――



劉備の遺詔によって国権を総覧した孔明は、皇太子・劉禅を立て皇帝とし、成都丞相府を
足場に諸政刷新に乗り出す。
疲弊した財政経済を立て直すのは2~3年かかると言われる大仕事だ。
その財政再建の合間にも、孔明は密かに南にも手を回す。
3年前、劉備が在世で呉に大敗した頃に起きた南中での蛮族の乱が未だ完全に平定されて
いなかったのだ。
劉備の死後、呉との関係は修復され、改めて孔明が呉の手の引いた南中を平定べく進軍する。
孔明は、既に反乱軍の主だった顔ぶれの内に内訌の種を吹き込み、疑心暗鬼に陥らせ、
そのあらかた討ちとることに成功。
残る敵は一番人望が厚いと言われている南蛮王・猛獲の軍のみ。
しかし魏延や趙雲らと共に猛獲の陣に夜襲をかけた際、相手の奇襲により孔明は谷底に墜落、
猛獲軍に捕虜として捕らえられてしまう。

2巻で姿を消した女細作フェイメイが猛獲の情婦・阿詩瑪(あしま)として登場。
彼女の手を借り、孔明は瀕死のうちから救出される。
猛獲軍は幾度となく進攻するが、情勢は孔明率いる蜀軍に有利に進みつつあった。

そんな折、孔明に窮地を救われて細作見習いとなった少年・汝秀の密告で、
猛獲にフェイメイの正体が露見。救出されたものの、フェイメイは猛獲の知らぬところで、
彼の正夫人・祝融とその弟によって残忍な折檻を受けていた――。


孔明が、己の立てた作戦に嵌って死にゆく敵兵の地獄絵を見つめ続けるシーンは圧巻。
孔明は血の気のない指で魏延の手を固く握りしめる。

   魏延はもう片方の手を、そっと上にかさねた。

この1シーンで魏延は男の株をぐんと上げたに違いない。
手酷い目に合うものの、おそらくこの「五巻」が孔明にとって我が世の春――権力を手中に収め、
また、魏延との愛を育み(笑)幸せだったと思う。



*この記事は website【CAFE唯我独尊】から移行したものです。

テーマ : ボーイズラブ - ジャンル : 本・雑誌

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