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2008.08.28 (Thu)

「東方美人 オリエンタル・ビューティー」 かわい有美子

「あなたが自分を大切だと思うなら…、サエキには深入りしないことね。」


KGB、ノーブルの香り漂う美貌のスパイ、そして、旧体制時代のドイツ――その手の小説好きには
たまらない設定が、近頃のBLの中では新鮮。

4883029824 東方美人 オリエンタル・ビューティー (ショコラノベルス)
 小笠原 宇紀
 心交社
 2004-03-10



198×年。
KGBの若き情報員“ヴァレンタイン”ことアレクセイ・ヴァシーリヴィチ・レスコフは西ベルリンへの検所を英国人のパスポートで通過した。アレクセイの最初の任務は同じくコードネーム《伯爵》という男に会うことだ。そして出会った《伯爵》ことエーリク・サエキは驚くほど鋭利で美しい男だった。アレクセイは西ベルリンでこのサエキと共に任務を果たさなければならなかったが、アレクセイには彼に言えない極秘任務があった…。旧体制時代のドイツを舞台にストイックかつ情熱的な想いが溢れるドラマティック・ロマンス。


ご無沙汰気味だったBLコーナーの、華やかな(気恥ずかしい)イラストが並ぶ中で、
久しぶりに目を引いたのが、本書の軍服の表紙だった(笑)。
ストーリー前半の、主人公・アレクセイのソ連での生活や情報部員としての任務などが積み重ね
られ、厚味を持ていくあたりは、あたかも重苦しく垂れ込めてゆく空模様のようだ。
いつもながら、かわい有美子さんの文章表現には、事象を重ねていく淡々とした味わいの中に
ひょいと現れる生々しさという、独特の二面性を感じてドキッとさせられる。その表現の落差が、
扇情的になりすぎる手前で抑えているにも拘らず、密やかにエロティックを醸している。この雰囲
気がいい。

クールでストイックなサエキ。
家族の愛情を注がれて育ち、情報部員らしからぬ心根のよいアレクセイ。
この好対照なキャラクターが、やがて情報と策略渦巻く世界でソビエト連邦の体制崩壊に向けて
どう動いていくのか――。物語としては序章といったところ。
情報部員(スパイ)の仕事の実態なども絡めて、これはぜひとも続編を希望したい。
(2004.4.19 記)

【補足】
続編として「東方美人2 千年王国」(ショコラノベルス)2005.11発行
さらに続編希望なんですけど!!


*この記事は website【CAFE唯我独尊】から移行しました。

テーマ : ボーイズラブ - ジャンル : 本・雑誌

23:32  |  かわい有美子  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

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