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2003.03.09 (Sun)

「スタンレー・ホークの事件簿 Ⅰ~Ⅳ」山藍紫姫子

「あぁあ…、身体の内が、熱い……お前が…暴れている…」

(この台詞、情交シーンではないよ…笑)


仮面(ペルソナ)―スタンレー・ホークの事件簿〈1〉
葛藤 アンビヴァレンツ―スタンレー・ホークの事件簿〈2〉
二重自我(ドッペルイッヒ)―スタンレー・ホークの事件簿〈3〉
採集家 コレクター―スタンレー・ホークの事件簿〈4〉(すべて花音ノベルス)

【内容】
彫像の公園で性器を切り取られ、男性裸像の下に放置するという連続殺人事件が起きた。
不良刑事スタンレーは、捜査線上に浮かんだ犯人像と上司であるロスフィールド警視の容姿が一致することに気づくところから物語は始まる。
金髪碧眼の美しき警視・ロスフィールドは、いわゆる「いたこ体質」で、死者の残留思念や相手の思念に感応する能力を持っている。その不安定な能力は彼にとって諸刃の剣でもある。日系人精神科医ジン・ミサオはその能力をケアできる存在であり、また、ロスフィールドとは愛人関係にある。
ロスフィールドの不可解な行動に疑惑を持つスタンレーだが、次第に上司であるロスフィールド警視の危うい魅力に捕らわれてゆく。
裕福な一人暮らしを狙った連続強盗殺人事件、内臓を抜かれた猟奇殺人事件などの事件を通して、ロスフィールドをめぐって揺れる妖しい三角関係が織り成される。

【書評】
美貌の警視×バツ一の刑事×精神科医の危うい関係を軸に展開する、サイコミステリー……本の案内にはロマン・サスペンスとあるが、微妙に違うような気がする。
刑事物だし、猟奇的事件も起きるが、ロスフィールドと2人の騎士(!)の関係に主眼が置かれているので、描写はそれほどグロテスクではない。謎解きミステリーの部分も充分楽しめるのでお薦めする次第。

本書は中短編集で構成されており、一つ一つの事件は一話のうちに解決する。
少しばかり人間不信のバツ一不良刑事が美しき上司を巻き込んで事件を解明していくあたり、「おいおい…」と少しばかりツッコミたくなる境地、都合のよすぎる展開など無きにしも非ずだが、しかし、もう一方の主軸である、男たちの微妙な関係が妖しげに展開しつつ、徐々に不安を醸成するかたわら、伏線が張られている。
後半、一気に物語がうねりだし、思いがけない事件へと発展させていく。この膨らみきった謎と妖しげな雰囲気の横溢を、いかなる手腕をもって、解決に導くのか? 興味津々。

過激なSMまがいのSEXを得意となさる山藍作品の中では、そちらの表現は比較的おとなしめ――というか、なんと普通にインモラルでロマンチックなので、山藍作品入門に最適かと。
一癖も二癖もある男たちなのに妙に可愛げがあって、なんだか愛しくなってしまう。美意識を感じさせる表現がことさら読み手の妄想を煽っているのかもしれない(笑)。個人的にはもっとあざといストーリー展開をしてほしかったかな。

CD化もされており、ノーブルなロスフィールドを、この手のドラマにはもう出演しないと宣言されていた速水奨さんが上品にあてているのだけど、ちょっとしか出演していないジン役の塩沢兼人氏が妙にカワユクて、ちょっとびっくり(リリコさん、ご協力感謝♪)。


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【More・・・】

■ 作者紹介
■ 長恨歌
■ 金環蝕
■ スタンレー・ホークの事件簿(シリーズ)
■ 闇を継承する者日影成璽(シリーズ)
■ 花鬼
■ 王朝恋闇秘譚
■ 完全版 虹の麗人―『イリス・虹の麗人』
■ アレキサンドライト

テーマ : ボーイズラブ - ジャンル : 本・雑誌

23:10  |  山藍紫姫子  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

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