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2006.03.18 (Sat)

「アレキサンドライト」山藍紫姫子

山藍さんらしい、ノーブルな香り漂う耽美な・・・これはポルノグラフィである。
タイトルの「アレキサンドライト」とは、光によって緑色であったり紫色に変化する宝石で、
作中では、主人公シュリルの両性具有の性を象徴している。

1992年白夜書房から上梓、'95年にはコアマガジンから再販されたが、
この度、角川文庫でさらに再販されたことを記念して(?)、再読。
私が持っているのは白夜書房版なのだけど、もちろん今読んでも全然古くないどころか、
BL世代には逆に新鮮なんじゃないだろうか。

虜囚にされたシュリルは、屈辱的な陵辱で、性の悦楽をたっぷり仕込まれることになる
のだが、その描写のあけすけさは、いっそ厳粛なくらい。
とにかく念の入った描写で、官能というものをフレグランスのように立ちのぼらせている。
暴力と絶対的な権力が支配する世界に晒されながら、肉体と心はいつも背を向け合って
いる。エロスの深淵とはそういうものなのだろう。

山藍さんの作品は、濃厚な官能を放出しつつも、その尋常ではない世界から、
やがて荒涼とした寂しさが滲み出てくる。
その寂しさは、愛を渇望する、熱く切ない思いだ。
流麗な文体から立ちのぼる官能、これこそが耽美というもの。

2006年2月に角川文庫で、大幅な加筆修正のもとに再販。
驚いたのは、角川ルビー文庫ではなく、一般書として出版されていること。
角川さんてば、チャレンジャーだわ(笑)。


アレキサンドライト (角川文庫) アレキサンドライト(角川文庫)
 山藍紫姫子









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テーマ : ボーイズラブ - ジャンル : 本・雑誌

00:53  |  山藍紫姫子  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

にゃんこさん、いらっしゃいませ♪
TBとコメントも、ありがとうございます。
>そもそもBLと分類してしまうのも、申し訳ないような気持ちなのです。
私も悩みます。山藍さんの(特に初期の作品は)BLの範疇にはおさまらないものね。
「藍宇」、いかがでした?
ブログの感想、楽しみにしていますね。
私は「ブロークバック・マウンテン」を観に行きたくてうずうずしているのだけど、思うように時間が取れなくて…くすん。
sumika_meimu |  2006年03月19日(日) 22:57 |  URL |  【コメント編集】

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